2012年5月15日火曜日

「サボテンの花」―チューリップ


ぼくがはじめてサボテンの花を見たとき、その花は、きっと、ほかの草花のドライフラワーか、上手に似せて作られた造花を、適当にサボテンに刺して、飾り付けているものだと思っていました。

ほかの鉢植えの花とは違って、水遣りの手間ひまを怠ったとしても、滅多とは枯れないサボテン…まさに、その尖った棘のようにとげとげしく、その厚みのある葉肉のように憎々しげなサボテンが、あんなに小さく可憐で、かつ色鮮やかな花をつけるとは…。

でも、ときとして相手に棘を刺し、傷つけているサボテンだって、些細な一言、ちょっとした態度に対して、ときには、人知れずに、傷ついていることだってあるのかもしれない…。

そう思えるようになったのは、それなりに人生経験を積んでからです。